エリンの木の下で about this site

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2013-03-13 更新

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こそおいでくださいました。
ここは、上橋菜穂子さんの長編小説『獣の奏者』のファンサイトです。
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『獣の奏者』とは?

『獣の奏者』は、作家であり、研究者・教育者でもある上橋菜穂子さんの長編小説です。

書籍

■ペーパー・メディア(紙媒体) ※すべて講談社刊

  • ハードカバー (四六判) 全5巻 (1 : 鬪蛇編 2 : 王獣編 3 : 探求編 4 : 完結編 + 外伝『刹那』)
  • 青い鳥文庫 (新書判) 全8巻 (ハードカバーの1〜4の各巻をを2分冊)
  • 講談社文庫 (一般文庫) 4巻 (ハードカバーの1〜4巻が発売中、外伝は2013年秋とのアナウンスあり)

■デジタル・メディア(電子媒体)

  •  Appleの携帯情報端末iPad、iPhone向け(iOS上で動作するスタンドアローンアプリ)として、2010年9月に電子書籍化されています。11月には、PCや非iOSガジェットで読める、ドットブック(.book)形式でも入手可能になりました。

■刊行のサイクル

cycle.png『獣の奏者』シリーズはこれまで、このようなサイクルで刊行されてきました(クリックで拡大します)。
 外伝の文庫化は上記のように来秋、探究編以降のデジタル化は、まだしばらく先になると思われます。

 守り人シリーズの場合は、偕成社が文庫のセクションを持っていないことから文庫の版元が新潮社に移っている上、児童文学として書かれた守り人シリーズを全年齢向けにするため、漢字表記(閉じ/開き)、ルビ(総ルビ→パラルビ)、注釈部分など全般にわたって毎回大幅な修正の必要があることなど諸事情があって、サイクルが通常と異なっています。また、版元の方針の違いにより、デジタル化の目処は立っていません。

漫画

 武本糸会さんによって漫画化され、現在も月刊少年シリウスに連載中。5月下旬発売の7月号現在、ハルミヤがカザルム行幸中。8月現在、武本さんの体調不良により休載中。
 コミックの単行本は2012年6月に第6巻が発売、その巻末に次刊は来年初春と書いてあったものの、上記の事情のためずれこむ可能性が高いようです。

アニメーション

 2009年の1年間、前年の『精霊の守り人』に続き、プロダクションI.G.制作のTVシリーズ『獣の奏者エリン』全50話がNHK教育でオンエアされました。また、2011年3月末から同チャンネルにて、毎週月曜日 19:25からの25分枠で再放送され、今年3月いっぱいで終了しました。

出版物一覧

 商材画像をここに転載するのが煩わしいため、Amazonのリストマニアという機能を利用しました。
 アフィリエイトなどは行っておりませんから(笑)安心して踏んでください。原作編派生メディア編
※このほかに、2010年にムックが1冊出ていたのですけども、尼にはもう載っておらず、版元の学研でも残念ながら、絶版扱いのようです。

アニメのメディア(DVD、Blu-Ray)に関しましては......正直、お薦めするのが微妙に憚られる気がいたしますので、リストに加えておりません。レンタルなどでまず1巻をお試しいただくのが安全かと。
 でもBGMはなかなか良作で、フォークロアテイストの音楽がお好きであれば、気に入っていただけると思いますので、読書のBGMとしていかがでしょうか。尼の商品情報ページからなんと! 太っ腹なことに、各曲30秒ずつという秒数制限はあるながらも全曲試聴ができますので、一度聴いてみてください。

アニメ『獣の奏者エリン』をご存知の方へ

 アニメのほうだけは見たことある! という方に申し上げますが、アニメと原作は別物です。細かい設定の違いにとどまらず、スケール感も人物描写の深みも雲泥の差ですから。
 でも、その相違を楽しむのもまた一興というもの。
 上橋さんは、代表作『精霊の守り人』からなる一連の「守り人・旅人」でシリーズで児童文学作家として広く認知されていますが、この『獣の奏者』は実は全年齢向けとして書かれたものなのです(書店でも図書館でも、なぜかひとくくりに児童書コーナーに置かれてしまうのですが...)。
 原作を読むと、一般文芸書として書かれたこの作品がNHKで子ども向けとしてアニメ化されるとき、どういう要素が与えられ、またどういう要素が排除されていたのか、というあたり(いわゆるヲトナの事情とやら)がよく理解できます。
 幸い、まだNHKのWebサイトには『エリン』の公式ページが残っており、そこでは、監修として携わられた上橋さんご自身による解説を読むことができます。一読の価値がありますので、是非とも、右タブの関連リンクからチェックしてみてください。

 アニメと原作の違いをとことん検証したページを設けました。ネタバレ満載(そしてネガティブ気味)ですので、未読・未視聴の方はご遠慮ください。それでも読んでみたい方はこちらからどうぞ。

まだ『獣の奏者』と出会っていない方へ

おめでとうございます。
あなたの人生にはまだとても大きな楽しみが残されているということです。
是非ともこの物語を読んでください。
ちゃんと、作品の発表順に読んで、モヤモヤ(ムラムラ)も堪能しないとダメですよ!

 楽をしようとして、探求編の前に外伝を読んだりしないこと。いいですねッ!!!!!

 そして、原作を読んでどっぷりとハマってから、ここにある拙作もついでに読んでいただけると幸いです(ただし、年齢制限を設けておりますので、あらかじめご承知おきください)。
 これまでの詳しい経緯や考察などは、ここの下段↓や、Blogや拙作のまえがき・あとがきに書いてありますので、あわせてご覧いただければと思います。

関連リンク

当サイトについて

 このサイトは、私こと kemomo の二次創作小説の掲載のために開設しました。
 最初の作品はサイト名と同じ『エリンの木の下で』です。
 自分にとって、ほぼ生まれて初めてと言っていい、文字での創作作品でした。
 2009年11月に書きはじめ、2010年8月に完成、公開しました。

サイト主:kemomoについて

 東京都内に生息している雌の成獣。春の等しき日生まれ。
 昨年2009年にNHKでアニメ化された、上橋菜穂子さん原作の小説『獣の奏者』(アニメ版タイトル『獣の奏者 エリン』)を、プロダクションIG制作アニメ『精霊の守り人』(2008年に放送された同じ上橋さん原作のアニメ化作品)からの流れでつい手にとってしまったところから人生が狂いはじめた。
 特に、2009年に出版された探求編・完結編を読んでからというもの、夜も日も明けぬ重度のイアエリラブラブ妄想に取り憑かれてしまう。
 以来、二次創作小説という形で妄想を体外排出することで、なんとかして堅気の獣に戻るべくリハビリに励んでいるが、2010年9月に出版された『獣の奏者 外伝 刹那』を読んで以来、病状は深刻度を増す一方で、まだ全快の見通しは立っていない...。

なぜ二次創作小説を書くに至ったか
(若干ネタバレ注意)

 ご存じない方のために書きますと、書きはじめた当時、『獣の奏者』は鬪蛇編・王獣編・探求編・完結編の4冊までがハードカバー版で出版されていたのですが、王獣編と探求編の間の出版間隔が約3年、ストーリー上では11年の空白期間があるのです。しかもその空白期間に、主人公であるエリンの身の上にとても大きな出来事が起こっていたのです。

 前半2冊を既読のファンにとって、その出来事に介在するもう一人の主役といえる人物(ぶっちゃけると夫なのですが)は、おおかた予想のつく相手ではあったものの、結婚・出産という女性にとっての人生の大事件を、上橋さんは本編中でサクッとカットしてしまわれていたのです。
 エリン夫婦の結婚に至る経緯は、回想中のセリフでごくわずかに匂わせるだけで、物語は完結。それは上橋さんなりのお考えがあってのことだったのですが、読者の心に残ったモヤモヤ(というかムラムラ)があまりにも悲劇的なこの物語の結末と相俟ってしまったのでしょう。二人の一番幸せだった期間の、特に恋の馴れ初めを知りたい獣フリークたちが、某巨大掲示板の某板某スレッドに夜な夜な集っては、原作の見えない行間を読みとる術を切磋琢磨し合い、互いの妄想を二次創作小説(通称SS)の形で披露し合いつつ、ディープな獣談義に花を咲かせておりました。

外伝の発売

 そこにおわした多くのネ申々に感化されてしまい、エリンの恋愛から結婚までを自分なりに妄想して書いたのが『エリンの木の下で』なのですが、書いている最中の2010年5月に、まさにその部分の『正解』が原作者ご自身の手で「外伝」という形でもたらされることを知り、スレの住人も私も、喜びと不安のないまぜになった複雑な心境で運命の日を待つことになりました。
 私自身、小説を書き上げるのを挫折しかけていたのですが、さる心あるかたのご協力もいただき、死刑宣告となる発売日前にどうにかこうにか書き上げることができました。

 そして、上橋さんの『獣の奏者・外伝 刹那』は、探求編・完結編の発売から1年あまりを経、2010年9月に無事刊行されました。獣フリークたちは、この二人の恋愛から結婚・出産に至る道筋の『正解』をようやく読むことができ、上橋さんがこのエピソードを本編から排除した理由を深く納得させられることとなったのです。 

妄想は続く...

 もちろん、(その期間を描こうと試みた全てのイアエリSSに言えることですが)私の『エリンの木の下で』は残念ながら、『正解』とは似ても似つかぬアナザー・ストーリーとなってしまったのですけれども、憑かれたように書いていた9か月のことは、今でもよい思い出となっています。
 それどころか、最初で最後の一作と思って書いていた『エリンの木の下で』を完成させたのに、なぜか二次創作熱のほうはなかなか冷めずに、現在に至る...という感じなのです。
 これもひとえに、オリジナルである『獣の奏者』の持つ魅力ゆえ。まだ当分、自分の中の『獣の奏者フェア』は続きそうな気配です。