再放送スタート! けれど……
待望の『獣の奏者エリン』の再放送が始まりましたね。
一昨年の本放送時に全話録画し、MP4エンコードしたものをMacにもiPhoneにもiPadにも入れてあって、通勤だろうが帰省の移動時だろうがいつでもどこでも見られる私でも、やはり時間が合えば再放送はなんとなく見てしまうものです。ただし、平日の19:30というのは微妙な時間で、今のところ見逃しとか、夕飯の支度に気をとられて...ということが多いのですけれども。
さて、私が『獣の奏者』原作を読んだのは、アニメ化決定の情報がきっかけでして(上部ナビゲーションの「about」参照)、闘蛇編・王獣編を読んでからアニメを見始めたわけですが、当時は、アニメ化(しかもNHK)にあたって大人の事情でいろいろと加えられた改変にも、まあやむなし、と思ってそれなりに評価していたのです。しかし、その後何度も見返しているうち、その改変部分の違和感が目についてきました。
まさかの続編、そして外伝
そして、本放送の最中に発売されたまさかの続編、探求編・完結編、そして駄目押しの外伝を読んだあとでは、その印象は決定的になり、録画を見返すたびに「ここもここも、これもおかしい」と感じられるようになってしまいました。武本糸絵先生のコミカライズ版『獣の奏者』が原作により忠実でありながら漫画ならではの表現も併せ持つすばらしい出来であるのと対照的に、私の中の位置づけでは、アニメ『獣の奏者エリン』は、今日ではすっかり「残念な作品」になってしまっています。
もともと、この作品のアニメ化の企画時には、『獣の奏者』は闘蛇編と王獣編で完結する物話でした。作者ご自身にとってすら、そうだったはずです。喩えは悪いですが後出しジャンケンのように続編が出てきてしまったので、そこでようやく明かされたさまざまな事実があり、その中には、残念ながらこのアニメに反映しきれていない重要な追加設定もあります。それを知る前にアニメのために行われてしまった改変ゆえ、辻褄が合わない点に関してはもう、今から言ってもしかたのないものもありましょう。
ですが、そういう点を差し引いても、首を傾げざるを得ないことが、アニメにはあまりにも多い...。
それでこのページを今回、設けました。
批判対象はもちろんアニメの制作サイドですけれども、もしかしたら、監修を行われ、OKを出された上橋先生ご本人の気まで知らず損ねてしまう部分もあるかもしれないとずっと思っていたので、ここを人目にさらそうと決心するまでに、随分長いこと迷っていました。
だいたい、こんなことやってる暇があったらSSを書けよ>自分! とも思いますしね。
でも、本放送終了時からたえず某掲示板、某スレに寄せられている続編のアニメ化を希望する声を読むにつけ、「それだけはやめて!!」と、めまいがするほどぶんぶんと首を振りつづけてきた自分としては、このたびの再放送の評判次第でほんとうに続編のアニメ化が実現してしまったらどうしよう(というか、そのための観測気球なのではないかと)...という危惧をひしひしと感じ、どうしても一度、反対の意見表明をせずにはいられなくなりました。
ですので、当初は各話ごとの細々した突っ込みもしますけれども、書き進むにつれて、続編制作の障害になるような致命的な改変についてとり上げていくつもりです。
「嫌なら見るな」という事態になる前に、せめて
一ファンがどんなに声を大にしていやだと叫んでも、続編のアニメ化はされるときにはされてしまうでしょう。「アンチは嫌なら見るな」で切り捨てられるのが当然です。
それでも、「やるならやるで、相当な覚悟でやってほしい。素晴らしい原作にわざわざ安易な改変の手を加えて、こんな突っ込みを受ける隙だらけの作品にしないでほしい」と、アニメの制作姿勢に釘を刺すことくらいはさせてもらってもいいでしょう。
今回やっとそれをする気になったのは、再放送が始まって、やっぱりアニメに不満を持っていたのは自分だけじゃなかったのだな、と実感するようになったからです。単なる茶化し突っ込みにとどまらない、原作を愛する人たちのレビューが、ネット上にちらほらと現れてきています。とはいっても、続編の制作に反対まで表明する私のような変わり者はそれほど多くないと思いますけど。
どうせわかることでしょうから白状しますが、某スレとか某スレで続編アニメ化の希望が出るたびに反対している書き込みの主はたいがい私です。ただし、"たいがい"です。私だけではないこともまた、ご理解いただきたいのです。
ですから、このページは、SS以上に読む人を選ぶページです。アニメの出来に不満のない方、多少不満があるにしろ続編も見てみたいと思っている方の気分を害することがかなり多くなることでしょう。
そして、完全にネタバレですので、原作、アニメとも未読・未視聴の方にはお薦めいたしません。
それを承知で読んでみたい方だけが、この先のページにお進みください。
読まないでおきたい方は、どうぞ上のナビゲーションからBlogページにおもどりください。
2011.4.23 kemomo